「現地採用」って「正社員」なの?マレーシアの場合

カテゴリ:
就職関連
更新日:
2020.01.23
「現地採用」って「正社員」なの? マレーシアの場合
日本人がマレーシアなど海外での就職活動をされる際に、どのようなポジションでの採用かを気にされる方も多いはずです。 今回は、マレーシア現地採用の雇用条件や労働契約などについてご説明します。

 

日本では、「終身雇用制度廃止」が話題になっていますね。しかし、そもそも終身雇用制度を前提に働いている日本の「正社員」の定義って何なのでしょうか?また、日本人がマレーシアなど海外で働く場合、そもそも「正社員」のポジションというものは存在するのでしょうか?

 

日本の「正社員」は日本独自の概念

 

ウィキペディアによると、「正社員」という概念があるのは日本と韓国だけなんだそう。確かにマレーシアでも、フルタイム、パートタイムという区分けが一般的です。

 

そんな日本独自の「正社員」の特徴は大きく分けて二つ。

・期間の定めのない労働契約
・フルタイム労働者

 

加えて、一般的に「正社員」は、解雇などで職を失う可能性が低く、ボーナスや福利厚生など、給料以外の特典が得られる立場、といえるのではないでしょうか。

 

マレーシアの「現地採用」は「期限付き」

 

マレーシアで働いていると、日本にいる知り合いから「正社員なんでしょ?」と聞かれることがあります。

 

しかし、マレーシアの「現地採用」は「正社員」とは異なるように思います。というのも、マレーシアで働くには「就労ビザ」が必要ですが、ビザの期限は最大でも2年。ビザ申請の際には雇用契約書を移民局など管轄官庁に提出するのですが、そこには雇用期間(=ビザの有効期限)がはっきりと書かれています。

 

つまり、「現地採用」は、期限付きなのです。

 

もちろん、雇用契約と就労ビザを更新することは可能ですが、ビザの取得にはコストがかかります。企業側としても、期待を下回るスタッフとの契約は更新しないという選択肢もあるわけです。

 

また、就労ビザの発行条件は政権の意向によっても左右されます。一度就労ビザが発行されたからといって、そのあともずっと発行されるという保証はありません。もちろん、同じ企業で長く働いている現地採用の方もいらっしゃいますが、基本的に「現地採用」は「日本の正社員」とは異なるもの。いわゆる「正社員」のような安定感はないといえるでしょう。

 

「正社員」がいいなら「駐在」を目指そう

 

海外で働きたいけど「正社員」という立場にもこだわりたい、というなら「駐在」の立場を目指すしかありません。簡単なことではありませんが、海外進出を計画している会社が駐在を前提とした正社員を探している場合もあります。

 

日本の本社から出向する形での「駐在」と「現地採用」とでは待遇に天と地ほどの差があります。

 

住宅手当、社用車支給、日本の社会保険完備、子どもの教育手当、日本と現地でそれぞれ給料が支払われる……などなど、企業によって異なりますが、現地採用では望めない待遇が盛りだくさん。

 

とはいえ、駐在はたいてい現地の責任者ですから、裁量権が大きい分、責任や仕事量も比例して大きく、能力も経験も優れている人が多く、待遇がいいのも当然といえるでしょう。

 

まとめ

 

マレーシアの「現地採用」は、日本でいうところの「正社員」とは異なり、雇用期間に期限があります。また、日本の「正社員」とは待遇の面で大きく異なります。

 

とはいえ、能力や経験がそこそこでも海外勤務に挑戦できる「現地採用」は、海外で働いてみたいという方には大きなチャンスといえるでしょう。

 

また、「安定」や「待遇」を求めて「正社員」にこだわる方には、そもそも海外就職は向いていないとも言えるかもしれません。

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