「現地採用」って「正社員」なの?マレーシアの場合

日本では、「終身雇用制度廃止」が話題になっていますね。しかし、そもそも終身雇用制度を前提に働いている日本の「正社員」の定義って何なのでしょうか?また、日本人がマレーシアなど海外で働く場合、そもそも「正社員」のポジションというものは存在するのでしょうか?
日本の「正社員」は日本独自の概念
ウィキペディアによると、「正社員」という概念があるのは日本と韓国だけなんだそう。確かにマレーシアでも、フルタイム、パートタイムという区分けが一般的です。
そんな日本独自の「正社員」の特徴は大きく分けて二つ。
・期間の定めのない労働契約
・フルタイム労働者
加えて、一般的に「正社員」は、解雇などで職を失う可能性が低く、ボーナスや福利厚生など、給料以外の特典が得られる立場、といえるのではないでしょうか。
マレーシアの「現地採用」は「期限付き」
マレーシアで働いていると、日本にいる知り合いから「正社員なんでしょ?」と聞かれることがあります。
しかし、マレーシアの「現地採用」は「正社員」とは異なるように思います。というのも、マレーシアで働くには「就労ビザ」が必要ですが、ビザの期限は最大でも2年。ビザ申請の際には雇用契約書を移民局など管轄官庁に提出するのですが、そこには雇用期間(=ビザの有効期限)がはっきりと書かれています。
つまり、「現地採用」は、期限付きなのです。
もちろん、雇用契約と就労ビザを更新することは可能ですが、ビザの取得にはコストがかかります。企業側としても、期待を下回るスタッフとの契約は更新しないという選択肢もあるわけです。
また、就労ビザの発行条件は政権の意向によっても左右されます。一度就労ビザが発行されたからといって、そのあともずっと発行されるという保証はありません。もちろん、同じ企業で長く働いている現地採用の方もいらっしゃいますが、基本的に「現地採用」は「日本の正社員」とは異なるもの。いわゆる「正社員」のような安定感はないといえるでしょう。
「正社員」がいいなら「駐在」を目指そう
海外で働きたいけど「正社員」という立場にもこだわりたい、というなら「駐在」の立場を目指すしかありません。簡単なことではありませんが、海外進出を計画している会社が駐在を前提とした正社員を探している場合もあります。
日本の本社から出向する形での「駐在」と「現地採用」とでは待遇に天と地ほどの差があります。
住宅手当、社用車支給、日本の社会保険完備、子どもの教育手当、日本と現地でそれぞれ給料が支払われる……などなど、企業によって異なりますが、現地採用では望めない待遇が盛りだくさん。
とはいえ、駐在はたいてい現地の責任者ですから、裁量権が大きい分、責任や仕事量も比例して大きく、能力も経験も優れている人が多く、待遇がいいのも当然といえるでしょう。
まとめ
マレーシアの「現地採用」は、日本でいうところの「正社員」とは異なり、雇用期間に期限があります。また、日本の「正社員」とは待遇の面で大きく異なります。
とはいえ、能力や経験がそこそこでも海外勤務に挑戦できる「現地採用」は、海外で働いてみたいという方には大きなチャンスといえるでしょう。
また、「安定」や「待遇」を求めて「正社員」にこだわる方には、そもそも海外就職は向いていないとも言えるかもしれません。
・クアラルンプール(首都):日本人の大部分はクアラルンプール在住。歴史ある日本人コミュニティがあり、発展した住みやすいエリア。求人数は多く、仕事を見つけやすい。
・セランゴール州:クアラルンプール近郊のエリア。工業団地に工場を構える日系製造業多数。求人数は多く、仕事は見つけやすいが、公共交通機関があまり発達しておらず車がないと不便。
・ペナン州:発展したペナン島の都市部が観光地として有名ですが、橋を渡った半島部には工業地帯が広がり日系企業も多数。移動には車が必須だが、程よく発展して住みやすいエリア。求人情報数はあまり多くない。
・ジョホールバル:マレー半島南端に位置するシンガポ―ルに最も近い町。日本人コミュニティあり。求人情報数は少ない。
・サバ州/サラワク州:ボルネオ島に位置し、製造業が多いエリア。求人情報数は少ないが、給与は高め。
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